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そもそも、十五夜とは “満月” を意味します。
月が “新月(真っ暗の状態)” から “満月” になるまで、約 15 日かかるのがその由来です。
その中でも、特に空が澄み綺麗に晴れ渡る時期である 9 月中旬 ~ 10 月上旬ごろ。
この時期に見ることが出来る満月を、一般的に「十五夜」や「中秋の名月」と呼ぶんですね。
(中秋とは、秋である 8 月と 10 月のあいだという意味)
ちなみに 2014 年は 9 月 8 日、2015 年は 9 月 27 日が満月ですよ。
それ以降の日付はコチラ。
綺麗な満月である「十五夜」。
“月見” という文化が始まったのは、今から 1000 年以上前の平安時代です。
当時は、貴族(いわゆる金持ち)の “道楽” として、舟に乗り、池やお酒の杯に映った月を楽しんでいたのだとか。
(月を直接見るのは良くないとする風潮がありました)
それが江戸時代に入ったころから庶民にも広まり、
「作物が月の満ち欠けとともに成長する」ことから、「月 = 豊作の神様、縁起のいいもの」として捉えられ、
「十五夜 = 秋の収穫に感謝する収穫祭」として親しまれるようになりました。
現代で言われる “月見” や “十五夜” は、料理やウマい酒が全面に出されます。
どちらかというと平安時代の文化に近いかもしれませんね。
また、お月見といえば団子。
この団子はどういう意味があるんでしょうか?
上で書いたように、かつて十五夜は “収穫祭” という認識でした。
収穫祭では、その秋に採れた作物を感謝とともに “神様” に捧げます。
そして、この場合の神様は “十五夜” 。
つまり、十五夜に供えられるお団子は、”満月” に向かって捧げられたものだったんですね。
お団子である理由は、「お団子=穀物から作ったもの」だから。
団子だけでなく、果物やイモ類、九州では相撲を捧げるという地域もあるそうです。
(相撲は元々、神様への捧げもの)
私の地元では、お団子の代わりに “米” と “お酒” をお供えし、
この十五夜を過ぎたら「収穫したばかりの新米を食べられる」という文化がありました。
今は廃れてしまっていますが、農業が生活の中心だった昔の人にとっては、重要な行事だったんでしょう。
そして、月と言えばウサギ。
「月にはウサギがいる」なんて言われますが、これは日本に伝わる伝説のおとぎ話が由来です。
詳しく知らない人も多いので、紹介しますね。
そして、しばらくして、、
キツネは、お墓からたくさんのお供え物をもってきました。
サルは、山の木からたくさんの果物をもってきました。
しかし、、
ウサギは何も食べ物を持ってくることができませんでした。
手ぶらで戻ってしまったウサギは、悩みます。
そして覚悟を決め「もう一度探しに行ってきます、火を焚いて待っていてください」と言い、再び飛び出していきました。
その結果、、
またも、ウサギは食べ物を持ってくることができませんでした。
キツネとサルは「お前ウソつきだな!」とウサギを責め立てます。
ですが、ウサギはもう悩みません。
おじいさんに向かうと、
「私には食べ物をとる力がありません、ですがあなたの命を救うことはできます」
「どうぞ、私を食べてください」
そう言って、焚いた火の中に飛び込み、死んでしまいました。
なんと、自分の命をおじいさんに捧げてしまったのです。
それを見ていたおじいさんは、悲しみ、涙を流しました。
そして、
「お前たちは清く正しいココロの持ち主だ」
「特にウサギは特別に素晴らしいココロを持っている」
「ここで死んでしまうのは、もったいない」
「ぜひ、他の動物たちの手本になってほしい」
と言い、
なんと、ウサギの魂を誰でも見える月の中によみがえらせてしまいます。
そのおじいさんの姿を見たキツネとサルは驚きました。
じつは、おじいさんの正体は帝釈天(たいしゃくてん)という神様だったのです。
3 匹が清く正しいココロを持っているか、試そうとしたんですね。
結果、ウサギはいつまでも月の中で生きることになりました。
これが、「月にはウサギがいる」の元ネタです。
さらに元をたどれば、仏教の説話(せつわ)から来ているようですね。
また、これが派生して「ウサギがモチをついている」とも言われますが、それは沢山のお米がとれたことに対する感謝の気持ちが表れたものだとか。
世界各地で意味の捉われ方が違う、月。
ヨーロッパではカニや女性の横顔、本を読むおばあさんに、カナダではバケツを運ぶ少女、アラビアではライオンに見えるそうですよ。
ウサギというのは日本や韓国、中国のみ。
中でもモチをついているのは日本だけだそうです。
多くの人が農業から離れてしまった現代ですが、こういう季節ごとの収穫に感謝する行事は、忘れたくないものですね。
私も子供に伝えていきたいことの 1 つだったりします。
それでは。
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