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ベランダの空間は限られています。
限られた範囲を効率よく使い、出来るだけ多くのシシトウを作るために、以下のものを用意しましょう。
土:30Lほど
基本的に夏野菜用の土であればどれでも構いません。
初めから肥料の含まれる “培養土” がオススメです。
支柱1〜4本
シシトウは幹がそれほど大きくならないため、支柱が無くても育てられます。
しかし、ベランダなどの風の強い場所で栽培する場合は、あったほうが良いでしょう。
後述する植え付け時の寒さ対策には、支柱を4本揃えましょう。
以上6つが揃ったら、シシトウの苗を買いに行きましょう。
シシトウに限らず、
「初めて野菜を育てる」
「まだまだ栽培は初心者」
という人の場合、種ではなく苗での購入をオススメします。
というのも、
苗から育てた方が病気や枯れに強く、安心して育てる事が出来るからです。
種から育てた方が安くはつきますが、安定して大きな苗を育てられるとは限りません。
特に “発芽〜植え付け” までの気温が低い時期の育成が難しく、この時期にしっかり強い苗に育てないと、植え付けても大きくならないか、大きくなっても病気などにかかりやすくなります。
2本植えれば7人家族でも十分な量のシシトウが収穫できますし、わざわざ種から育てる必要はありませんよ。
また、苗を選ぶときは
・茎が太くまっすぐ
・茎の節と節の間隔が狭い
・葉が深緑色で、大きく広がっている
の3つの条件を満たすものを。
間違っても “茎が変に曲がっている苗” や “葉が丸まっている苗”、“葉が白や茶色になっている苗” を選んではいけません。
おそらく病気を持っているので、しっかり育たない可能性があります。
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シシトウは元々トウガラシを “辛くならないように” 品種改良した「甘トウガラシ」の一種。
実の形が獅子の頭に見えることから “獅子唐(辛子)” と呼ばれます。
当然、甘トウガラシはシシトウ以外にも品種があり、”万願寺とうがらし” や “山科とうがらし” などが一般的。
初めて〜初心者の方で、
「出来るだけ簡単で、沢山とれる品種がいい」
という人は、特定の品種名が書かれている苗ではなく、“シシトウ” と書かれている苗を選びましょう。
(庭や畑で作る方は、連作障害に対応した “接ぎ木苗” がオススメ)
また、シシトウは育てかたによって辛くなるものもあるため、
「全く辛くないものがいい」
という人は “万願寺トウガラシ” や “伏見甘長とうがらし” を選んでみても良いかもしれません。
(ただし、これら2種はピーマンと配合して作られたため、シシトウと若干味が異なります)
シシトウを育てるときは、次のことを守りましょう。
・プランターの土の下1/3に軽石や発泡スチロールなどを敷きつめる
・1日1〜2回、土が乾いたら水をやる
・2週に1度の追肥を欠かさない(ただしやり過ぎはNG)
シシトウの栽培で失敗するパターンは主に3つで、
・プランター内の加湿による根腐れ
・乾燥による枯れや成長不良
・肥料不足による株や実の萎縮
のいずれか。
特にプランター内の過湿対策は必ずやって下さい。
シシトウは乾燥が苦手で水が好きなのですが、その一方で過湿を嫌います。
プランター内の湿度が高くなると根が呼吸できなくなるため、株の成長が遅くなり、最悪枯れてしまいます。
土が必要以上に水を溜め込まないよう、プランターの下1/3はあえて水を吸わないものを入れておきましょう。
その他、具体的な育て方とコツは以下の通りです。
苗への負担を減らすため、苗の植え付け(プランターに植える事)は暖かく、晴れた日の午前に行います。
また、接ぎ木苗であっても根が張る前は寒すぎると枯れるため、最高気温が14〜15℃になってから植える事をオススメします。
植え付けのやり方
①プランターの下1/3に1〜2cmサイズの軽石(または2〜5cm角に刻んだ発泡スチロール)を敷き詰める
②①の上に土を入れて真ん中をくぼませる。
③苗をカップから取り出し、土の1/3ほどを落として根を出す。
④②のくぼみに苗を植え、土をかぶせて根元を手で軽く押さえる。
⑤プランターの4隅に支柱を立て、防寒・防風として周りをラップで2,3重に囲う(下端は土から3cmほど離し上は開けておく)。
⑥水をたっぷり(プランターから水が流れ出す程度)やる。
特に寒い地域では⑤が重要で、これの有無で成長速度や病気への耐性度が変わってきます。
寒い時期に植える場合や、寒い地域に住んでいる方、風の強いベランダで育てる方は忘れずに。
植え付けが終わったら、プランターを日当りの良い場所に置きましょう。
水やり
毎日、苗の状態をチェックし “土が乾いていれば” 水をやります。
気温が高く日差しが強い日は、朝と夕に1回ずつの水やりが必要です。
ラップを取り外す
苗の大きさが30cm以上になり、1日の平均気温が20℃を超えるようになってきたら、ラップを外します。
4隅の支柱も外し、新たに株に対して45°の角度がつくように1本の支柱を立てます。
立てた支柱と株をひもで結んでおきましょう。
わき芽を摘む
シシトウの1つ目の花が咲いた後、それより下に出来る “わき芽” は全て取り除きます。
下の芽はそれほど大きな実をつけませんし、害虫が寄ってくる原因となります。
また、葉や枝が混み合い、風通しが悪くなっている部分も取り除きましょう。
追肥(ついひ)
1つ目の実ができた頃に1回目の追肥(肥料をやること)をします。
分量は1株あたり5g(小さじ2杯)ほどで、株の根元にパラパラと撒きましょう。
それ以降は2週間に1度、同じように追肥して下さい。
収穫
花が咲いてから2週間ほどで収穫、5〜7cmほどのサイズになったものから採っていきます。
実を採らずに置いておくと株が弱り、次の実が付きにくくなるため、早めにとることを心掛けましょう。
シシトウは収穫期間が長く、6月中旬〜11月ごろまで実がなります。
(私の家では11月下旬まで取れてました)
夏が終わり気温が下がると一時的に成長が止まりますが、水と肥料を欠かさなければまた花が咲き始めますよ。
花が咲かなくなったら収穫はおしまい。
枯れるまで放置し、最後は土ごと廃棄しましょう。
(連作障害や病気のリスクがあるため、来年、同じ土は使えません)
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鳥害
狙われません。
対策する必要なし。
虫害
茎や葉の裏にアブラムシが付き、新芽や若葉がしおれて枯れてしまう事があります。
牛乳や唐辛子水・油などの対策がありますが、確実なのはスプレータイプの農薬。
直接かからなければ効果はありませんが、収穫前日まで何度も使え、実の中に残らないものがオススメです。
1回でほぼ死滅するので、4,5日空けて2回使えば完璧ですね。
病気
シシトウは基本的に病気に強い野菜ですが、以下のような病気が現れることがあります。
①がモザイク病で、②がハダニによるものですね。
モザイク病はアブラムシが持ってくる病気なので、見つけ次第駆除することで対策できます。
ハダニは過湿や近くの雑草が発生の原因なので、込み入った枝や葉を払い、周りの雑草を刈り取ることで対策できます。
どちらにしろ、葉から葉へ移っていく病気なので、
少しでも怪しい部分を見つけたら、すぐにその部分を含む周辺の葉や枝を取り除き、ゴミ箱に廃棄して下さい。
他の夏野菜にも言えることですが、
大抵の病気は
・病気の葉や茎や実を全てちぎってゴミ箱に捨て
・日の当たる場所で水を減らして乾燥気味に育てる
ことで治ります。
ネットで対処法を調べると高額な農薬を使うものばかりでてきますが、“家庭菜園レベルでは病気に農薬なんざ不要” ですよ。
逆に言うと、もしこの方法で治らない場合や、茎の根元や土が病気になっている場合、素人がそれ以上手を出したところで無駄です。
諦めて土ごと廃棄してください。
栽培が簡単で収穫量も多いシシトウは、家庭菜園の初心者にオススメ。
今年の夏はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
そして、ぜひ “塩だけつけた天ぷら” を味わってみて下さい。
とても上品でな味で、ビールが止まらなくなりますよ。
それでは。
ちなみに、、
「庭を畑にしたい」という人はこちらを参考にどうぞ。
実際に庭の一部を畑にしてみました。
野菜作りをするなら1冊は持っておくと便利です。
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