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私は、かつては本を全く読まない人でした。
新しい情報はSNSから入ってくるし、知りたいことはネットで調べれば分かる。
つまり、読書しなくても、学生として、またサラリーマンとして毎日を生きるには、問題なかったからです。
しかしその考えは、将来を具体的に考え始めた頃から、変わります。
毎日会社で仕事をし、家に帰り、愛する妻と子どもと触れ合い、たまに外で遊び、そしてまた仕事する。
当時、そういう日々を送る分には、問題がありませんでした。
ところが、あと5年後、あと10年後、20年後、30年以降を考えた時、その延長上に幸せな未来があるとは思えませんでした。
今の環境で働き続けても、5年後は5つ上の先輩、10年後は10上の先輩と同じようになるだけです。
その姿は、働き始めた当初の理想像とは、大きくかけ離れたものだったんです。
私は、そうなりたくなかった。
だから、独立を考えました。
しかしそこで、“圧倒的な情報不足”とぶつかります。
起業や独立、それ自体はとても簡単なものです。
手続きをするだけですから。
ですが、事業の継続となると、話は別です。
時代を読み、市場を多角的に捉えながらシェアを考え、技術を磨き、商品やサービスを生み出し、提供していくことになります。
そのためには、市場の興味や、流行を知る必要があるのですが、それは “私が知りたいこと”とイコールではありませんでした。
ネットで知りたいことは調べられますが、5年前は『何を調べたらいいのか』が、全く分からなかったんです。
それに気付いて衝撃を受けた私は、人の興味や流行を知るために、少しずつ本を読み始めました。
しかし、最初は読むのが下手で、1ヶ月に1冊読めれば十分という程度。
そして『何を読もう?』と、本を選ぶのにも時間がかかっていました。
読書の効率がとても悪かったんですね。
『これはマズイ』と思った私は、読み方と本の選び方にルールを決めました。
今回は、それを紹介したいと思います。
私と同じように、「本を読む習慣がない」「何を読んでいいか分からない」「本の選び方が分からない」「読むのに時間がかかる」という人は、このルールを取り入れることで読書の効率が上がりますよ。
普段、本を読む習慣のない人は、まず本を読むことに慣れる必要があります。
そのため、「勉強のため」の読書は止めましょう。
“頑張って”読書するというのは、心にとってかなりの負担になります。
まず続きません。
読書を習慣化するための本の選び方にはポイントがあり、
・目に止まったもの
・好きなもの
・関連書籍
の3つ。
順番に説明します。
最初のうち、本を選ぶのは、ほとんど『直感』です。(マジで)
その選び方は、
1)まず、本屋に行く
2)本棚の前で、右上から順番に本の背表紙をザーッと流して見る
3)すると、2〜3つほど、気になる題名が見つかる
4)それを少し読んでみて面白そうなら買う、面白くなさそうなら買わない
5)そして、次の棚へ。
という感じ。
気になる題名というのは、分かりやすく言えば、今のあなたが必要としている情報ということ。
ほとんど無意識で選ぶことになりますが、なかなか外れはありません。
単純に「好きだな」と思う本を選びます。
色が好き、形が好き、表現が好き。
なんでも「好き」という感覚は外れがありません。
これも、本棚の前をぶらつきながら、ボーッと眺めてみればいいですよ。
本を1冊読んでみると、その中で別の本が紹介されていることがあります。
これが “関連書籍” です。
本文内で紹介されてることもあれば、巻末に紹介されてることもあったり。
そのほとんどは、 “同じ著者” か “同じジャンル” です。
なので、今読んでいる本が気に入るのであれば、その関連書籍も気に入る確率は高いです。
読み終わったら、買ってみて下さい。
読んでみたい本が見つかったら、次はサクサク読み進める方法です。
「読むのが遅い」「1冊読むのに、とても疲れてしまう」
こういう人には、ある特徴があります。
それは、本の最初から最後にかけて全部を読もうとすること。
これは特に、勉強目的で本を読んでる人に多いのですが、全てを学ぼうと、一字一句を逃さないように、しっかり読み込もうとします。
ですが、これは逆効果。
人が一度に覚えられる情報というのは、そんなに多くありません。(例外はありますが・・)
私を含め、ほとんどの人は、本を全部読み終えたとしても、自分の頭で理解できていることは本全体の1〜3割程度くらいだったりするものです。
なぜなら、本は自分が知らないことについて読むものですから。
もし、その全部を完全に理解できるのだとすれば、その本を読む必要がありませんしね。
また、本というのは「他人の言葉」ですから、書いてある内容を『自分なりの言葉』で把握し、自分の言葉として理解するには、それなりに時間がかかります。
ですから、最初から最後にかけて全部を読むのではなく、以下の読み方を試してみて下さい。
1)流し読み
2)全部読もうとしない
勉強目的で読書をしている人に言います。
あえて、一字一句を読まず、さらに全部読むのを止めましょう。
その方が、”今の”あなたにとってプラスになります。
なぜか?
上で紹介した「本の選び方」と同じく、今必要な情報は、ちゃんと目に止まるからです。
適当に流すように本を読んでも、一字一句を逃さないように本を読んでも、今あなたが必要だと思っている単語や情報は、自然と目に止まります。
そして、一字一句を逃さないように本を読んで得られる、 “今必要ではない” 情報は、それが必要とされるタイミングまでに、ほとんど忘れてしまいます。
もっと言えば、本に書かれている情報は、先人達の体験や思考から生まれた、“知恵”です。
しかし、それを私たちが読んだところで、すぐに知恵にはなりません。
単なる“知識”として、取り入れられるだけです。
“知恵” とは、”知識”を活かして、体験や思考を深めることで、初めて得られるものなのです。
だとすれば必要なのは、今必要な情報を素早く取り入れ、体験や思考に落とし込むことではないでしょうか?
それが、本当の意味での勉強だと思います。
単なる知識を入れるだけが、勉強じゃありません。
私は、そう思います。
「読むのが遅い」人や、「1冊読むのに、とても疲れてしまう」という人は、恐らく今必要ない、または今理解するのに時間のかかる情報も、取り入れようとしているんだと思います。
そういう人は、一度、今の本を読む前の気持ちに戻ってみて下さい。
その本はなぜ読もうと思ったのか?
なにが気になったから、読もうと思ったのか?
その目的がまだ達成されていないのであれば、その目的に沿った視点で、読み進めることをオススメします。
そして、既に目的が達成されているけれど、まだ読み終えていないという人は、いっその事、読むのを止めてしまうことをオススメします。
今必要な情報は、既に得てるからです。
次に移った方が、効率は良くなりますよ。
結局大切なのは、情報を入れることではなく、情報を状況に応じて取り出し、活用すること。
とすれば、情報を無理矢理詰め込むことに、あまり意味はありません。
“サクサク読める方法”ということで、”流し読み” と “全部読まない” という方法をご紹介しました。
しかし、だからといって、なんでも流し読みすればいいというワケでもなかったりします。
トリック小説や推理小説は、たった一言に重要な意味があったりするので、ゆっくり読んだ方が楽しめます。
普通の小説なんかは、映像をイメージしつつ、軽く流し読みすると、アタマの中で映画を見ているような気分になれますよ。
一方、自己啓発本や政治・経済の本などは、100%流し読みがオススメですね。
それで今必要な情報は得られますし、それ以外の情報は、今の段階では本当の意味で理解できませんから。
また、自己啓発本はたくさん読んでも意味がありません。
どの本も表現が違うだけで、言ってることの本質は一緒ですし、例えば、高橋歩さんの本をいくら読んでも、高橋歩さんみたいには、なれません。
なので、自己啓発本は気に入った2,3冊だけを流し読みして、実生活に取り入れるのが、最も効率の良い使い方ですよ。
将棋の名人、羽生さんのこんな言葉があります。
”アイデアはいろいろな知識が組み合わさることで生まれてきます。”
”最初の段階では、自分が取捨選択した知識を吸収することから始める。”
”するとある臨界点に達したとき、それまで蓄積した知識と知識が結びついて、理解になり、湧き出るようなアイデアが次々と出てくるようになるんです。”
今読書の習慣がなくて、これから「読んでみよう」という人は、読書によって知識を得て、成長したいと思っている人が多いと思います。
しかし、「最初は下りのエスカレーターを昇る作業」なんて表現があるように、何事も結果が出てくるまでには時間がかかるもの。
何事も身につくまでは時間と努力が必要ですので、これから始めるという人は、この言葉を覚えておくといいかもしれません。
それでは。
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