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用意するもの。

 

ベランダの空間は限られています。

限られた範囲を効率よく使い、出来るだけ多くのピーマンを作るために、以下のものを用意しましょう。

 

1.15〜25Lサイズのプランター(または鉢)

深いタイプがオススメ
深いタイプがオススメ

ピーマンは広く浅く根を伸ばしますが、ゴーヤやキュウリに比べれば根は小さめ。ただし、加湿を嫌います。

湿気が地面から登って来ないよう、深型のプランターを選びましょう。

また、プランター栽培の場合は土の量が限られるため、大きな角プランターに2本植えるより、中くらいの丸プランターに1本ずつ植えた方が実の付きが良くなります。

 

2.土:30Lほど

プレミアム培養土
プレミアム培養土

基本的に夏野菜用の土であればどれでも構いません。

初めて野菜を育てる方には、土に肥料が含まれる “培養土” がオススメです。

ただし培養土の肥料は少なめで、プランター栽培の場合はそれだけでは大きくは育ちません。下で紹介する肥料も必要です。

 

 

3.化成肥料と油かす

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ピーマンは肥料が不足すると花が咲かず実が生らなくなる(なってもとても小さくなる)ため、株を大きく育て、沢山のピーマン・パプリカを収穫するには “野菜用化成肥料” と “油かす” が有効です。

厳密な決まりは無いため、”野菜の肥料” と書かれたものであればどれでも問題ありません。

(成分割合は「5-5-5」や「8-8-8」が何にでも使えるのでオススメです)

 

4.支柱1〜4本

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ピーマンは幹の高さが40〜50cmほどになります。

ベランダなどの風の強い場所では折れてしまうこともあるため、支柱を用意しましょう。

後述する植え付け時の寒さ対策には、支柱を4本揃えます。

 

5.ガーデン・タイ

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支柱と茎を固定するために使います。

内部に針金が通っており、片手で切って使えるのが便利ですね。

強く固定すると茎が痛むため、8の字にゆるく縛るのがコツです。

 

6.ラップ

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植え付けたばかりの苗を風や寒さから守るために使います。

有ると無いでは、成長速度がかなり違いますよ。

 

以上6つが揃ったら、ピーマンの苗を買いに行きましょう。

 

 

初めては苗で買う。選び方は?

 

ピーマンに限らず、「初めて野菜を育てる」「まだまだ栽培は初心者」という人の場合、種ではなく苗での購入をオススメします

というのも、苗から育てた方が病気や枯れに強く、安心して育てる事が出来るからです。

 

種から育てた方が安くはつきますが、安定して大きな苗を育てられるとは限りません。

特に “発芽〜植え付け” までの気温が低い時期の育成が難しく(地域にもよりますがハウス栽培がほぼ必須)、この時期にしっかり強い苗に育てないと、植え付けても大きくならないか、大きくなっても病気などにかかりやすくなります。

 

2,3本植えれば大人5人、子供2人の7人家族でも十分な量のピーマンが収穫できますし、わざわざ種から育てる必要はありませんよ。

 

 

また、苗を選ぶときは

・茎が太くまっすぐ

・葉が深緑色で、大きく広がっている

・葉の枚数が多い

の3つの条件を満たすものを。

 

間違っても “茎が変に曲がっている苗”“葉が丸まっている苗”“葉が白や茶色になっている苗” を選んではいけません。

おそらく病気を持っているので、しっかり育たない可能性があります。

 

 

オススメの品種は?

 

昔ながらの苦みの強いものや、甘くサラダに向くものなど、ピーマンにもいくつかの品種があります。

 

初めて〜初心者の方で、「出来るだけ簡単で沢山とれる品種がいい」という人は、“大きな実がなるピーマン” の苗がオススメです。

(庭や畑で作る方は、連作障害に対応した “接ぎ木苗” を)

 

“大きな実がなるピーマン” は元々のサイズが大きいため、栽培が多少上手くいかなくてもそれなりの実をつけてくれます。

栽培難易度も他のものと大差ありませんし、どうせなら大きめのモノを選びましょう。

 

また、より “甘さ”“生食しやすさ” を求めるのであれば、パプリカが良いです。

パプリカは簡単に言えば “完熟したピーマン” のこと。その中でも “甘さ” を増やし、 “青臭さ” を減らした品種を指します。

(ただのピーマンも完熟するまでおいておけば赤くなりますが、それほど美味しくありません)

 

色の違いは熟す段階の違いで、黄色→オレンジ→赤と色が変わります。

 

熟す期間が増える分、ピーマンよりも若干栽培が難しくなりますが、それでもピーマンが育つ環境ならパプリカも問題なく育ちます。

サラダなどに使いたい人は試してみてはどうでしょうか。

 

 

育て方 植え付け〜収穫まで

 

ピーマンを育てるときは、次のことを守りましょう。

・プランターの土の下1/3に軽石や発泡スチロールなどを敷きつめる

・1日1〜2回、土が乾いたら水をやる

・2週に1度の追肥を欠かさない(ただしやり過ぎはNG)

 

ピーマンの栽培で失敗するパターンは主に3つで、

プランター内の加湿による根腐れ

乾燥による枯れや成長不良

肥料不足による株や実の萎縮と落花

のいずれか。

 

特にプランター内の過湿対策は必ずやって下さい

 

ピーマンは乾燥が苦手で水が好きなのですが、その一方で過湿を嫌います。

プランター内の湿度が高くなると根が呼吸できなくなるため、株の成長が遅くなり、最悪枯れてしまいます。

 

土が必要以上に水を溜め込まないよう、プランターの下1/3はあえて水を吸わないものを入れておきましょう。

 

その他、具体的な育て方とコツは以下の通りです。

 

 

植え付け(4月下旬〜5月中旬)

 

苗への負担を減らすため、苗の植え付け(プランターに植える事)は暖かく、晴れた日の午前に行います

また、接ぎ木苗であっても根が張る前は寒すぎると枯れるため、最高気温が14〜15℃になってから植える事をオススメします。

 

植え付けのやり方

プランターの下1/3に1〜2cmサイズの軽石(または2〜5cm角に刻んだ発泡スチロール)を敷き詰める

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②①の上に土を入れて真ん中をくぼませる。

③苗をカップから取り出し、土の1/3ほどを落として根を出す。

④②のくぼみに苗を植え、土をかぶせて根元を手で軽く押さえる。

⑤プランターの4隅に支柱を立て、防寒・防風として周りをラップで2,3重に囲う(下端は土から3cmほど離し上は開けておく)。

⑥水をたっぷり(プランターから水が流れ出す程度)やる。

 

特に寒い地域では⑤が重要で、これの有無で成長速度や病気への耐性度が変わってきます。

田舎の畑でよく見る光景、通常は肥料袋を使います
例)田舎の畑でよく見る光景、通常は肥料袋を使います

寒い時期に植える場合や、寒い地域に住んでいる方、風の強いベランダで育てる方は忘れずに。

 

また、これでも苗の元気が無いようであれば、根が冷えている可能性があります。

プランターの周りを “梱包用のプチプチ” や “ラップ” で覆い、さらに苗の根元に “細長く刻んだ新聞紙” を敷き詰めてみて下さい

 

野菜は根を温めることで、元気に育つようになりますよ。

 

 

収穫までの世話

 

植え付けが終わったら、プランターを日当りの良い場所に置きましょう。

 

水やり

毎日、苗の状態をチェックし “土が乾いていれば” 水をやります。

気温が高く日差しが強い日は、朝と夕に1回ずつの水やりが必要です。

 

ラップを取り外す

苗の大きさが30cm以上になり、1日の平均気温が20℃を超えるようになってきたら、ラップを外します。

4隅の支柱も外し、新たに株に対して45°の角度がつくように1本の支柱を立てます

立てた支柱と株をひもで結んでおきましょう。

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わき芽を摘む

ピーマンの1つ目の花が咲いた後、それより下に出来る “わき芽” は全て取り除きます。

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下の芽はそれほど大きな実をつけませんし、害虫が寄ってくる原因となります。

また、上にできる芽は基本的に放置で構いませんが、葉や枝が混み合い風通しが悪くなっている場合は取り除きましょう。

 

追肥(ついひ)

1つ目の実ができた頃に1回目の追肥(追加で肥料を与えること)をします。

分量は1株あたり10g(大さじ1杯)ほどで、株の根元にパラパラと撒きましょう。

それ以降は2週間に1度、同じように追肥して下さい。

 

収穫

花が咲いてから2週間ほど(パプリカは1.5ヶ月ほど)で収穫、7〜8cmほど(大きな実のなるピーマンは9〜10cmほど)のサイズになったものから採っていきます。

実を採らずに置いておくと株が弱り、次の実が付きにくくなるため、早めにとることを心掛けましょう。

 

 

ピーマンは収穫期間が長く、肥料と水を欠かさなければ6月中旬〜11月ごろまで実がなります

(私の家では11月下旬まで取れてました)

夏が終わり気温が下がると一時的に成長が止まりますが、水と肥料を欠かさなければまた花が咲き始めますよ。

 

花が咲かなくなったら収穫はおしまい。

枯れるまで放置し、最後は土ごと廃棄しましょう。

 

病気や連作障害のリスクがあるため、土は基本的には廃棄します。

再利用するのであれば、広げて天日干しをして、殺菌してから使用してください。

 

 

鳥害・虫害・病気の対策について

 

鳥害

ベランダの栽培ではまず狙われないため、対策する必要なし。

庭で育てる場合は完熟したパプリカのみ狙われることもあるため、そうなったら100円ショップのネットをかけましょう。

 

虫害

茎や葉の裏にアブラムシが付き、新芽や若葉がしおれて枯れてしまう事があります。

牛乳や唐辛子水・油などの対策がありますが、確実なのはスプレータイプの農薬

 

直接かからなければ効果はありませんが、収穫前日まで何度も使え、実の中に残らないものがオススメです。

私は以下を使ってますが、1回でほぼ死滅するので、4,5日空けて2回使えば完璧ですね。

私が使っているもの
私が使っているもの

 

病気

ピーマンは基本的に病気に強い野菜ですが、以下のような病気が現れることがあります。

『①葉が黄色い斑点で覆われる』『②葉に白の斑点ができ、全体に広がる』

 

①がモザイク病で、②がハダニによるものですね。

 

モザイク病はアブラムシが持ってくる病気なので、見つけ次第駆除することで対策できます。

ハダニは過湿や近くの雑草が発生の原因なので、込み入った枝や葉を払い、周りの雑草を刈り取ることで対策できます。

 

どちらにしろ、葉から葉へ移っていく病気なので、少しでも怪しい部分を見つけたら、すぐにその部分を含む周辺の葉や枝を取り除き、ゴミ箱に廃棄して下さい

 

 

他の夏野菜にも言えることですが、大抵の病気は

・病気の葉や茎や実を全てちぎってゴミ箱に捨て

・日の当たる場所で水を減らして乾燥気味に育てる

ことで治ります。

 

ネットで対処法を調べると高額な農薬を使うものばかりでてきますが、“家庭菜園レベルでは病気に農薬なんざ不要” ですよ。

 

逆に言うと、もしこの方法で治らない場合や、茎の根元や土が病気になっている場合、素人がそれ以上手を出したところで無駄です。

諦めて土ごと廃棄してください。

 

 

自宅で採れたピーマンは甘みが強く、味も濃いめ。

採れたてのパプリカはとても水々しくて新鮮です。

 

暑い夏にピッタリのピーマン。

今年の夏はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

それでは。

 

 

 

ちなみに、、「庭を畑にしたい」という人はこちらを参考にどうぞ。

実際に庭の一部を畑にしてみました。

 

 

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NHK趣味の園芸 やさいの時間 有機栽培もOK!プランター菜園のすべて (生活実用シリーズ)

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